単に人の言ったこと、人が書いたことを理解できるだけの能力に終始してしまいます。この頃「TOEICの点は上がったけれども、人とは話せず、外国人と商談もできない」と嘆く会社の経営者がいますが、それは当然の結果です。これは、昔から日本人がやってきたことなのです。すなわち、外国で言われたことや書かれたことを忠実に聞き取ったり読み取ったりはできるが、自分の意見を言うことはできない。これからの時代、このような受動的能力だけではまったく通用しません。もちろんこのような受動的能力をつけることを否定はしません。しかし、なにかを発信したいから読み聞きをするのと、読み聞きの能力をつけることだけを目的に勉強するのとでは、大きな差があります。両者はコミュニケーションという見地からはまったく異質なものなのです。読み聞きのテストの訓練というのは、通常のコミュニケーションとはかけ離れたものです。極端な場合、部屋に閉じこもり、ヘッドホンステレオで英語のリスニング教材をひたすら聞いている人もいるといいます。これでは正常な人間関係は築けません。インターナショナル・コミュニケーションどころか、周囲の人とのコミュニケーションにも事欠きます。