ドイツでは、各家庭が自治体と月にごみ箱を約一二〇〇円で契約しています。週に一回のごみ収集で、そのごみ箱のフタが閉まらないほどの量のごみを出してしまうと、高い追加料金を支払わなければならない仕組みになっています。そのため人々は、家にごみを持ち帰らないように、ごみを出さないように工夫して、買い物をしています。また自治体は、なぜごみが増えると危険なのか、どうすればごみが減らせるのかということを、幼児からお年寄りまですべての市民に向けて、さまざまな場面で伝えています。ごみを買わない生活習慣を、人間形成の根幹をなす大切なものとして位置づけ、教育・啓蒙しているのです。ヨーロッパの国々では、一九七〇年代に酸性雨の被害で森の木々が枯れたり、湖に魚が棲めなくなったりしたことがきっかけで、本格的なごみ減量政策が進み、環境先進国といわれるようになりました。公害問題は発生源が単一の企業なので、その企業を国が厳しく指導することで解決できました。しかし環境問題は、一人ひとりの人間の生き方にその原因があります。公害問題とは違う視点で、解決のための戦略が必要です。では、日本では、どのような戦略が必要なのでしょうか。ごみを減らすための戦略には二つの軸があります。ひとつは、政策による推進、そしてもうひとつは、一人ひとりの実践です。この二つが両輪となってはじめて、ごみの少ない国が実現できるのです。大量消費、大量リサイクルを超えていくための政策として、これからの日本に早急に求められているのが「ごみの有料制」と「デポジットシステム」です。