たんす屋はロサンゼルス出店でアメリカ進出を開始した。これまで着物業者の海外進出を妨げてきた高価格帯という難関も、中古事業だからこそ回避できたのだろう。しかし、それだけで海外進出できるほど容易なビジネスではない。そこで注目すべきは客層である。価格とは別に、これまで日本の着物業者がアメリカで成功できなかったもう一つの理由は、日本人・日系人を顧客の中心に考えたことではないかというのだ。そこでNさん自らがアメリカに赴いてリサーチした結果、決して日本人・日系人が顧客の主ではないというのだ。「そして、アメリカ独特の新しい着物の着方など、将来そういったライフスタイルが情報として日本にフィードバックされるとき、日本の若い世代も従来と違った角度から影響を受け、着物文化が再評価されることを確信しています」とNさんは語る。現実的には、二〇〇一年中にはアメリカで五店舗程度の展開を計画しているそうだ。リサイクル事業にはロマンが必要だという持論の持ち主だからこその、壮大な計画の第一歩といったところだろうか。